2024年12月22日

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工学部 電気電子工学科 伊藤研究室

東北工業大学
工学部 電気電子工学科 伊藤研究室

担当教員:准教授 伊藤 仁

 

【研究室の概要】

東北工業大学の伊藤研究室では,音と聴覚に関する研究を行っています。我々の身の回りには様々な音がありますが,それらを直接目にすることはできません。この様な見えない音の性質を明確に理解するために,本研究室では「作って調べる」ことに重点を置いています。例えば写真の上段は,本研究室で作成した直径2.4 mのパラボラ音響反射板です。回転放物線型の反射板を用いると平面波のエネルギーが焦点に集まるという単純な原理ですが,実際に反射板を設計・製作し実験により30 m離れても会話が可能であることを確かめる過程で,音の伝播と反射に関する活きた知識が身に付きます。本研究室では,少しでも疑問を感じたことは,とにかく手を動かして検証するという姿勢を大事にしています。

 

【研究室の具体的なテーマ】

耳介の形状と音響特性

人間の鉛直方向の音源定位の手がかりは,耳介や頭部の反射に起因する音響伝達特性の方位依存性にあり,この音響特性を利用することで立体的な音場を再現することが可能となっています。しかし頭部や耳介の形状は個人差が大きいため,音響伝達特性も人により異なります。本研究室では,この耳介の形状と音響伝達特性の個人差を調べる研究を行っています。写真下段は,耳介の3次元データに基づいて作成した大きさ15倍の耳介模型です。模型の表面には鏡面シートが貼ってあり,レーザー光を用いることで,耳介のどの部位が反射に寄与するか確認することができます。

両腕運動を用いた合唱音声合成システム

音声は通常,声帯,舌,顎などの発声器官が協調的に運動することで生成されますが,四肢などの非発声器官の運動により音量や音高を制御するリアルタイム音声合成システムが提案されています。本研究室では,両腕に付けた3次元位置センサーの運動情報に基づいて,歌唱音声を合成するシステムを開発しています。現在のシステムでは両腕を別々に動かすことで,ひとりの演奏者が合唱音声を合成することが可能となっています。

 

【研究室のPR】

この他にも,音声の知覚実験,音源定位ロボット,正弦波モデルを用いた音響分析法の開発,海中超音波通信の研究などを行っています。